「忙しくて手が回らない」
会社でそんな話が出ると、
仕事の量を減らそうと考える。
人を増やそうとすることもある。
効率化する。
自動化する。
AIを使う。
もちろん、
単純に仕事が多すぎることもある。
でも、
仕事の量だけでは説明できない忙しさもあるように思う。
たとえば、
ひとつの仕事を始めた直後に、別の仕事が入ってくる。
メールに返信する。
元の仕事に戻る。
電話が鳴る。
また戻る。
上司から確認が入る。
資料を探す。
担当者に聞く。
ようやく続きを始める。
一つひとつの仕事は、
それほど大きくない。
それなのに、
一日が終わると何も進んでいないように感じる。
あるいは、
何かを決めるたびに確認が必要になる。
担当者だけでは決められない。
上司に聞く。
上司も判断できず、その上に聞く。
返事を待っている間に、
別の仕事を始める。
仕事が多いというより、
仕事が進みにくい。
そんな状態もある。
情報がいろいろな場所に散らばっていて、
毎回探しているかもしれない。
誰が何を決めるのか曖昧で、
確認に時間を使っているかもしれない。
頻繁に仕事が中断されて、
何度も頭を切り替えているかもしれない。
「忙しい」という言葉には、
こうしたものが全部まとめて入ってしまう。
だから、
忙しいから人を増やす。
忙しいからAIを入れる。
忙しいから効率化する。
と考える前に、
もう少しだけ分解してみてもいい。
仕事そのものが多いのか。
探す時間が多いのか。
待つ時間が多いのか。
確認が多いのか。
やり直しが多いのか。
中断が多いのか。
同じ「忙しい」でも、
原因が違えば、やることも変わる。
人を一人増やしても、
仕事が進みにくい構造がそのままなら、
忙しい人が一人増えるだけかもしれない。
仕事を減らす前に、仕事を止めているものを見る。
忙しさについて考えるとき、
そんな見方もあっていいと思う。
