人が集まると、うれしい。
ライブでも、イベントでも、セミナーでも。
たくさんの人が来てくれれば、「やってよかった」と思える。
反対に、人が集まらないと少し落ち込む。
告知の仕方が悪かったのか。
内容に魅力がなかったのか。
そもそも求められていなかったのか。
数字は、とても分かりやすい。
10人より50人。
100回より1万回。
3人より30人。
多いほうが成功しているように見える。
もちろん、商売なら人数が必要なこともある。
一定の人数が集まらなければ、そもそも成り立たないものもある。
でも、すべてのものを同じ物差しで測る必要はあるのだろうか。
以前、10人だけの小さな演奏会を企画したことがある。
来てくれたのは6人だった。
数字だけ見れば、目標には届いていない。
でも、その6人の前で演奏した時間まで「失敗」だったかというと、どうもそんな感じはしない。
むしろ、大勢の前では生まれない時間があった。
一人ひとりの顔が見える。
ちょっとした言葉も届く。
同じ場所で同じ時間を過ごしている感覚がある。
人数が少なかったからこそ、成立したものもあった。
これは音楽に限らないと思う。
100人に薄く届くものと、
5人に深く届くもの。
どちらに価値があるかなんて、本当は簡単には比べられない。
それなのに、数字が表示された瞬間、僕たちはつい多いほうを「価値がある」と思ってしまう。
SNSのフォロワー。
記事のアクセス数。
イベントの参加者。
商品の販売数。
数字は結果を教えてくれる。
でも、
価値まで教えてくれるわけではない。
もし、自分が本当に届けたかった人に届いているのだとしたら。
人が少ないというだけで、その営みをやめる必要はあるのだろうか。
そしてもうひとつ。
そもそも僕は、
たくさんの人に届けたかったんだろうか。
