ギターを35年くらい弾いている。
これだけ聞けば、ギターのことなら何でもできそうに思われるかもしれない。
でも、そんなことはない。
苦手なことは普通にある。
先日も、ある曲にサイドギターをつける方法を考えていて、途中で思った。
「ああ、やっぱりこういうの苦手だな」
そして、そのあともうひとつ思った。
たぶん、これからも積極的にやることはない。
以前なら、
長くやっているんだから、これくらいできたほうがいい。
苦手なら練習したほうがいい。
できないことをできるようにするのが成長だ。
そんなふうに考えていた気がする。
でも最近は、少し違う。
苦手なことを、苦手なままにしておく。
それも選択肢なんじゃないかと思う。
もちろん、できないことで困っているなら、できるようになったほうがいい。
仕事に必要なら、覚えなければならないこともある。
でも、世の中にある「できないこと」のすべてを、できるようにする必要はない。
これは仕事でも同じだ。
独立すると、営業も、経理も、発信も、デザインも、文章も、交渉も、いろいろな能力を求められる。
会社の中でも、
管理職なんだから。
経営者なんだから。
ベテランなんだから。
そんな言葉と一緒に、「できたほうがいいこと」がどんどん増えていく。
でも、自分が進みたい方向に必要のない能力まで、ひとつずつ克服していったら、ずいぶん時間がかかる。
できないことを減らすことが、成長とは限らない。
自分がやりたいことが分かってくると、
同時に、
できないままでいいことも分かってくる。
何を身につけるかと同じくらい、
何を身につけないか。
それを決めることも、自分の形をつくっていくことなのかもしれない。
