できたら、とっくにやっている

「もっとシンプルに考えればいい」

「気にしなければいい」

「嫌ならやめればいい」

「もっと力を抜けばいい」

どれも、たぶん間違ってはいない。

言っていることも分かる。

自分でも、そうできたらいいと思う。

でも、ときどき思う。

できたら、とっくにやっている。

人は、正しい答えが分からないから動けないとは限らない。

答えなんて、とっくに分かっていることもある。

運動したほうがいい。

早く寝たほうがいい。

仕事を抱えすぎないほうがいい。

子どもに口を出しすぎないほうがいい。

合わない人とは距離を取ったほうがいい。

それでも、できない。

そんなときに、さらに正しい答えを渡されても、たぶんあまり意味がない。

これは仕事でも同じかもしれない。

「もっと社員に任せましょう」

「会議を減らしましょう」

「無駄な仕事をやめましょう」

「経営者は現場から離れましょう」

外から見れば、そうしたほうがいいことはいくらでも見つかる。

でも、その会社がそうなっているのには、何か理由がある。

任せられなくなった出来事があったのかもしれない。

会議を増やさなければならなかった時期があったのかもしれない。

経営者が現場に立ち続けることで、会社を守ってきたのかもしれない。

今となっては必要のないものでも、

それが必要だった時間まで否定することはできない。

だから僕は、

「どうすれば変えられるか」

を考える前に、

「なぜ、今までこうしてきたんだろう」

を考えてみたい。

変われないことには、

意志が弱いとか、能力がないとか、

そんな言葉だけでは説明できない理由がある。

正しい答えを渡すより、

その理由を一緒に見つける。

もしかすると人が動き始めるのは、

そのあとなんじゃないだろうか。

玉井 安行 / ホームポジションデザイナー

南信州を拠点に、小さな会社や経営者の「整理しきれないこと」を一緒に考える仕事をしています。

事業、採用、Web、生成AIなど、テーマはさまざま。でも、すぐに答えを出すのではなく、「そもそも何が問題なんだろう?」というところから考えることを大切にしています。

経営や仕事について、誰かと一度整理してみたいことがあれば、ご相談ください。
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