正しい判断が、良い結果を生むとは限らない

会社では、日々さまざまな判断が行われている。

新しい設備を導入する。

人を採用する。

新しい事業を始める。

広告を出す。

取引先を変える。

どれも、結果が出るまで正解かどうかは分からない。

そして結果が出ると、その判断は評価される。

売上が増えたから、良い判断だった。

採用した人が活躍したから、成功だった。

新しい事業がうまくいかなかったから、判断を間違えた。

とても分かりやすい。

でも、少し気になることがある。

結果が良かったことと、判断が正しかったことは、同じなんだろうか。

例えば、十分な検討をせずに始めた事業が、たまたま市場の追い風を受けて成功することもある。

反対に、市場を調べ、リスクを整理し、慎重に検討して始めた事業が、予想外の環境変化によって失敗することもある。

前者は良い判断で、後者は悪い判断だったのだろうか。

もちろん、結果は大切だと思う。

事業を続けるためには利益が必要だし、判断の結果には責任が伴う。

だから、結果を見なくていいという話ではない。

ただ、結果だけで判断を評価してしまうと、少し困ったことが起きる。

たまたまうまくいった方法を、成功事例として繰り返してしまう。

十分に考えて挑戦したことが失敗すると、その判断自体を否定してしまう。

そうしているうちに、成功した理由も、失敗した理由も、よく分からなくなる。

判断を振り返るとき、本当はもう少し見ておきたいことがある。

そのとき、何を目的にしていたのか。

どんな情報を持っていたのか。

どんな選択肢があったのか。

何を優先して、何を諦めたのか。

どんなリスクを受け入れたのか。

そして、なぜその選択をしたのか。

判断した時点では、未来の結果を知ることはできない。

だからこそ、結果が出たあとに、その結果を知っている自分の目線だけで、過去の判断を評価しないことも大切なのかもしれない。

これは、失敗を正当化するための考え方ではない。

結果が悪かったのなら、改善する必要がある。

でも、改善すべきなのは、判断の仕方なのか。

実行の仕方なのか。

それとも、予測できなかった外部環境への対応なのか。

そこを分けて考えなければ、次の判断に活かせない。

結果を振り返ることと、判断を振り返ること。

似ているようで、少し違う。

良い結果が出たときほど、その判断は本当に良かったのか。

悪い結果が出たときほど、その判断は本当に間違っていたのか。

そんな問いを持っておきたい。

玉井 安行 / ホームポジションデザイナー

南信州を拠点に、小さな会社や経営者の「整理しきれないこと」を一緒に考える仕事をしています。

事業、採用、Web、生成AIなど、テーマはさまざま。でも、すぐに答えを出すのではなく、「そもそも何が問題なんだろう?」というところから考えることを大切にしています。

経営や仕事について、誰かと一度整理してみたいことがあれば、ご相談ください。
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