生成AIの使い方を教える仕事をしている。
そこで、少し気になることがある。
AIを使える人と、使えない人。
そんな分け方を、よく見かけるようになった。
プロンプトを書ける。
便利な機能を知っている。
資料を作れる。
文章を要約できる。
そういうことが「AIを使える」ということなら、たしかに使える人と使えない人はいる。
でも、実際の仕事を考えると、それだけではあまり役に立たないことがある。
たとえば、
「この仕事をAIで効率化したい」
と言われたとする。
では、何を効率化するのか。
なぜ時間がかかっているのか。
誰が困っているのか。
そもそも、その作業は必要なのか。
ここが整理されていなければ、AIに何を頼めばいいのかも決まらない。
AIは、こちらが渡した問いには驚くほどたくさん答えてくれる。
でも、
「あなたの会社で、本当に考えるべきことはこれですよ」
と、いつも勝手に見つけてくれるわけではない。
これは生成AIだけの話ではない気がする。
Excelでも、システムでも、Webでも。
新しい道具が登場すると、僕たちはつい、
「どう使うか」
から考えてしまう。
でも、道具を使うこと自体が目的になった瞬間、少しおかしなことが起きる。
AIを導入した。
資料が早く作れるようになった。
議事録も自動でできるようになった。
それでも仕事が楽にならないとしたら。
もしかすると足りなかったのは、
AIの使い方ではないのかもしれない。
自分たちの仕事を見て、
「何に困っているんだろう」
「なぜ、これをやっているんだろう」
と考えること。
AIが当たり前になるほど、
必要になるのはAIの知識ではなく、
自分たちの仕事に問いを立てる力なのかもしれない。
