「できるようになったこと」を、全部やる必要はない

AIの進化によって、できることがずいぶん増えた。

文章を書く。

画像をつくる。

データを分析する。

ホームページを制作する。

簡単なシステムを開発する。

以前なら専門家に依頼していた仕事も、今では自分でできるようになってきた。

これは、とても大きな変化だと思う。

費用をかけずに試せる。

思いついたことを、すぐに形にできる。

外部に依頼するための説明や調整も減らせる。

自分でできることが増えるのは、基本的には良いことだと思う。

でも、少し気になることがある。

できるようになったことは、全部自分でやったほうがいいんだろうか。

例えば、ある会社がホームページを自社で制作できるようになったとする。

AIを使えば、文章も画像もつくれる。

デザインも考えてくれる。

専門的な知識がなくても、それなりのものが完成する。

外注費もかからない。

一見すると、とても合理的な選択に思える。

でも、そのホームページをつくるために、誰がどれくらいの時間を使ったんだろう。

何を掲載するか考える。

AIがつくったものを確認する。

修正を繰り返す。

公開後の更新や管理も必要になる。

制作費は減ったかもしれない。

でも、社内の時間は使っている。

そして、その時間には、本来やるはずだった別の仕事があったかもしれない。

もちろん、自社で制作することに意味がある場合もある。

社内に知識が残る。

修正がすぐにできる。

外部に依存しなくて済む。

そうしたメリットもある。

ただ、外注費がなくなったことと、会社全体の負担が減ったことは同じではない。

これは、ホームページに限った話ではない。

広告運用。

経理業務。

採用活動。

システムの管理。

AIを使って内製化できる仕事は、これからも増えていくと思う。

そのたびに、会社は新しい選択肢を手に入れる。

でも、選択肢が増えることと、やるべき仕事が増えることは違う。

むしろ、できることが増えたからこそ、何を自分たちでやるのかを考える必要があるのかもしれない。

外部に任せたほうがいい仕事もある。

自分たちで取り組むことに価値がある仕事もある。

そして、そもそもやらなくてもいい仕事もある。

AIによって、以前より多くのことができるようになった。

だからといって、そのすべてを会社の仕事に加える必要はない。

できるかどうかではなく、自分たちがやる意味があるかどうか。

新しい技術を手に入れたときほど、そこから考えてみたい。

玉井 安行 / ホームポジションデザイナー

南信州を拠点に、小さな会社や経営者の「整理しきれないこと」を一緒に考える仕事をしています。

事業、採用、Web、生成AIなど、テーマはさまざま。でも、すぐに答えを出すのではなく、「そもそも何が問題なんだろう?」というところから考えることを大切にしています。

経営や仕事について、誰かと一度整理してみたいことがあれば、ご相談ください。
→ ほかの思考も読む
→ 玉井と話してみる

目次