会議を減らすことが、目的になっていないか

「会議が多すぎる」

会社で働いていると、そんな声を聞くことがある。

毎週の定例会議。

部門ごとの進捗報告。

課題を共有するための打ち合わせ。

気がつけば、予定表が会議で埋まっている。

そこで、会議を減らそうという話になる。

開催頻度を減らす。

参加人数を絞る。

会議時間を短くする。

報告資料を簡略化する。

最近では、AIを使って議事録を自動作成することもできる。

どれも、時間を有効に使うための取り組みだと思う。

でも、少し気になることがある。

会議の時間を減らせば、会議の問題は解決するんだろうか。

例えば、毎週1時間の会議があるとする。

各担当者が進捗を報告する。

問題点を共有する。

上司が質問する。

そして、次回までの予定を確認して終わる。

この会議を30分に短縮できたとする。

確かに、30分の時間が生まれる。

でも、その会議で本来決めるべきことが決まっていなければ、どうだろう。

会議のあとで個別に相談する。

上司の判断を待つ。

関係者に確認する。

結局、別のところで時間を使うことになる。

会議の時間は減ったけれど、仕事全体としては何も変わっていないかもしれない。

そもそも、会議にはいろいろな目的がある。

情報を共有するため。

意見を集めるため。

問題を整理するため。

何かを決めるため。

関係者の認識をそろえるため。

これらは、似ているようで少し違う。

情報共有だけなら、資料を配布すれば済むこともある。

一方で、立場の違う人たちが意見を交わし、その場で判断する必要があるなら、集まること自体に意味がある。

大切なのは、会議を開くかどうかではなく、その会議で何を実現したいのかが決まっていることなのだと思う。

もうひとつ、気になることがある。

会議が多い原因は、本当に会議の運営方法にあるんだろうか。

普段から情報が共有されていない。

誰が判断するのか決まっていない。

部門間で仕事の目的がそろっていない。

そんな状態なら、確認や調整のための会議が増えるのも不思議ではない。

だとすると、会議を減らすより先に、普段の仕事の進め方を見直す必要があるのかもしれない。

会議が多い。

だから会議を減らす。

その判断自体が間違っているとは思わない。

ただ、会議の多さは、別の問題が表面に現れた結果である可能性もある。

会議を減らしたいのか。それとも、会議が必要になる状況を変えたいのか。

似ているようで、取り組むべきことはずいぶん違ってくる。

玉井 安行 / ホームポジションデザイナー

南信州を拠点に、小さな会社や経営者の「整理しきれないこと」を一緒に考える仕事をしています。

事業、採用、Web、生成AIなど、テーマはさまざま。でも、すぐに答えを出すのではなく、「そもそも何が問題なんだろう?」というところから考えることを大切にしています。

経営や仕事について、誰かと一度整理してみたいことがあれば、ご相談ください。
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