変える前に、「なぜこうなったのか」を見る

会社の仕事を見ていると、

「なぜ、こんなやり方をしているんだろう」

と思うことがある。

同じ内容を何度も入力している。

ExcelからExcelへ転記している。

紙に書いたものを、あとからパソコンに入力している。

何人もの承認を通している。

似たような資料を毎月つくっている。

外から見ると、

すぐに改善できそうに見える。

もっと効率のいい方法に変えればいい。

システムを入れればいい。

AIを使えばいい。

その作業をなくせばいい。

でも、

そこで一度立ち止まりたい。

なぜ、この会社では今のやり方になったんだろう。

話を聞いていくと、

理由が見つかることがある。

以前、大きなミスが起きたから確認作業が増えた。

あるお客さんへの対応として始めたものが、そのまま残っている。

昔使っていたシステムの都合で、この手順になった。

担当者が変わるたびに、少しずつ作業が追加された。

今となっては必要がなくても、

始まったときには必要だったのかもしれない。

ここを知らずに、

「このやり方は非効率だから変えましょう」

と進めると、

思わぬところで問題が起きることがある。

消した作業が、

実は別の役割を持っていた。

なくした確認によって、

誰かが困るようになった。

現場からすると、

理由も知らない人に仕事を否定されたように感じる。

改善するとき、

今のやり方だけを見ると、

「悪いところ」を探したくなる。

でも、

今の状態は、

これまで会社がしてきた判断の積み重ねでもある。

だから、

変える前に、

その仕事が生まれた理由を見てみる。

何のために始まったのか。

誰が必要としていたのか。

何を防ごうとしていたのか。

そして、

その理由は今も残っているのか。

そこまで分かれば、

初めて、

残すのか。

変えるのか。

なくすのか。

を考えられる。

改善とは、

今あるものを否定することではない。

今まで必要だったものが、今も必要なのかを確かめ直すこと。

そんなところから始めてもいいと思う。

玉井 安行 / ホームポジションデザイナー

南信州を拠点に、小さな会社や経営者の「整理しきれないこと」を一緒に考える仕事をしています。

事業、採用、Web、生成AIなど、テーマはさまざま。でも、すぐに答えを出すのではなく、「そもそも何が問題なんだろう?」というところから考えることを大切にしています。

経営や仕事について、誰かと一度整理してみたいことがあれば、ご相談ください。
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