小さな会社がホームページを制作する前に知っておいて欲しい5つのこと
ブランディングのために自社ホームページ制作を考えている小さな会社が非常に増えています。
ホームページは【持つだけで集客できる魔法のツール】ではありません。そして、お金をかけて見栄えの良いホームページを作ったとしても集客が約束されるものでもありません。
小さな会社がホームページ制作を考えた時に、知っておいて5つの内容をまとめました。制作前に運用上のポイントを抑えておきましょう。ホームページは公開してからが本当のスタートです。
①ホームページの「コンセプトと戦略」
コンセプトと戦略は、自社のWebサイト開発において重要な要素です。以下に、それぞれの概要と、コンセプトと戦略を決定する際のポイントを説明します。
【コンセプト】
コンセプトとは、ホームページの基本的なアイデアやテーマです。コンセプトは、自社のブランドアイデンティティ(企業・商品の名称やロゴマークなど)やターゲット市場、競合他社との差別化など、ビジネス全体の目標やビジョンに基づいて決定していくものになります。
コンセプトを明確にすることで、デザインやコンテンツの方向性が整い、効果的なホームページが作成できます。コンセプト無きホームページから高い成果が生まれることはまずありません。それほど、コンセプトは大切な考え方になります。
コンセプト決定のポイント:
- ターゲットオーディエンスを明確にする。
- 自社のブランドアイデンティティを理解し、それを反映させる。
- 競合他社との差別化を考慮する。
自社の魅力・強みを理解し、競合他社と同じ土俵で戦わない=過当競争に巻き込まれないための骨子になります。社内外に向けたプランディングのひとつになりますので、時間をかけて言語化していきましょう。
【戦略】
戦略は、コンセプトを実現するための具体的な計画や手段です。戦略には、ホームページの構造、デザイン、コンテンツ、SEO、マーケティング、分析など、さまざまな要素が含まれます。戦略を策定することで、ホームページが目標を達成するための道筋が明確になります。
戦略策定のポイント:
- ホームページの目的と目標を明確に設定する。
- ターゲットオーディエンスのニーズや期待に対応したコンテンツを提供する。
- SEOやデジタルマーケティング戦略を組み込むことで、訪問者数やコンバージョン率を向上させる。
- ホームページのパフォーマンスや効果を定期的に分析し、改善のためのアクションを実施する。
コンセプトと戦略を決定する際は、経営者や関係者間で十分なコミュニケーションを行い、共通の理解を持つことが重要です。明確なコンセプトと戦略があれば、効果的なホームページ開発が可能になります。
②ホームページのデザインについて
デザインは、ホームページの見た目や顧客体験(実際にユーザーがHPに触れて得られる体験)に大きな影響を与える要素です。効果的なデザインは、訪問者を引き付け、目的に沿った行動に導く役割を果たします。キレイで1つしかないデザインを目指すのではなく、あなたのビジネスが偽り無く伝わっているデザインを目指します。
以下に、デザインに関する重要なポイントと考慮すべき要素を説明します。
ブランド一貫性
デザインは、企業のブランドアイデンティティを反映し、一貫性を持たせることが重要です。ロゴ、カラースキーム、タイポグラフィなどの要素をブランドガイドラインに従って使用することで、信頼性や認知度が向上します。
シンプルさ
シンプルでクリーンなデザインは、訪問者にとって分かりやすく、使いやすいものになります。無駄な要素を排除し、情報の優先順位を考慮してデザインを構成することが望ましいです。
顧客体験(UX)
訪問者がホームページを利用しやすく、目的を達成できるデザインを目指すことが重要です。ナビゲーションやコンテンツの構成、ボタンやフォームの配置など、全ての要素がUXを考慮したものであるべきです。
レスポンシブデザイン
スマートフォン、タブレット、デスクトップなど、異なるデバイスで適切に表示されるデザインが求められます。レスポンシブデザインを採用することで、どのデバイスからアクセスしても快適に利用できるホームページになります。
色彩とコントラスト
色の選択やコントラストは、デザインの印象や読みやすさに影響を与えます。適切な色彩バランスとコントラストを用いることで、視覚的に魅力的で使いやすいホームページが実現できます。
画像とビジュアル要素
高品質な画像やアイコン、ビデオなどのビジュアル要素は、訪問者の興味を引き付け、メッセージを伝える効果があります。ただし、過剰なビジュアル要素はページの読み込み速度や使いやすさに悪影響を与えることがあるため、適切なバランスが重要です。
デザインを検討する際には、これらの要素を考慮し、自社の目的やターゲットオーディエンスに適したものにすることが重要です。また、デザインを定期的に評価し、改善点があれば適宜修正することで、より効果的なホームページが実現できます。
③ホームページのコンテンツについて
コンテンツは、ホームページの価値を伝える主要な要素であり、訪問者の反応や検索エンジンの順位に大きく影響します。効果的なコンテンツ作成には、以下のポイントと考慮すべき要素があります。
大切なことは、「伝えたいことを伝える」のではなく「訪問者が知りたいと思っていることを伝える」コンテンツであることです。
読者の理解
コンテンツは、ターゲットとなる読者のニーズや期待に対応することが重要です。顧客の課題や興味・関心を理解し、それに基づいたコンテンツを提供することで、訪問者の満足度が向上します。
クオリティと価値
高品質で価値あるコンテンツは、訪問者の信頼を築き、リピート訪問やシェアにつながります。専門知識を活用し、独自性のある情報や見解を提供することが望ましいです。
クリアなメッセージ
コンテンツは、明確で簡潔な言葉でメッセージを伝えるべきです。無駄な情報や専門的過ぎる言葉を避け、訪問者が短時間で必要な情報を得られるようにすることが重要です。
SEO対策
検索エンジン最適化(SEO)は、コンテンツ作成において重要な要素です。適切なキーワードの使用、メタデータの最適化、内部リンクの設定などを行い、検索エンジンでの順位を向上させることが目標です。
タイトルと見出し
訪問者の注意を引くために、魅力的でわかりやすいタイトルと見出しを使用することが重要です。また、見出しタグ(H1, H2, H3など)を適切に使用することで、コンテンツの構造が整い、SEOにも寄与します。
ビジュアル要素の活用
画像や動画、インフォグラフィックなどのビジュアル要素は、コンテンツの魅力を高め、理解を促進する効果があります。適切なビジュアル要素を用いることで、訪問者の興味を引きつけることができます。
コンテンツの更新と検証
ホームページのコンテンツは、定期的に更新し、情報が正確で最新であることを確認することが重要です。古い情報やリンク切れを修正することで、ユーザーエクスペリエンスが向上し、信頼性も高まります。
分析と改善
Google Analyticsなどのツールを用いて、コンテンツのパフォーマンスを定期的に分析しましょう。訪問者数、滞在時間、バウンス率などのデータをもとに、改善点を見つけ、適宜修正を行うことで、より効果的なコンテンツが実現できます。
これらのポイントを考慮してコンテンツ作成を行うことで、訪問者に価値ある情報を提供し、ホームページの目的達成に寄与することができます。また、コンテンツは企業のブランドや信頼性を伝える重要な要素でもあるため、品質や一貫性に注意を払いながら作成することが重要です。
④ホームページのセキュリティについて
ホームページのセキュリティは、ビジネスオーナーやユーザーのデータを保護し、オンラインでの信頼性を維持する上で非常に重要です。以下に、ホームページのセキュリティに関する重要なポイントと対策を説明します。
SSL証明書の導入
SSL(Secure Socket Layer)証明書を導入し、HTTPSを使用することで、通信データの暗号化が行われ、データの漏洩や改ざんを防止します。また、HTTPSは検索エンジンランキングにも影響を与える要素です。
ソフトウェアの更新
使用しているCMS(コンテンツ管理システム)、プラグイン、サーバーなどのソフトウェアは、定期的に最新バージョンに更新してください。更新により、セキュリティの脆弱性が修正され、攻撃者からの保護が向上します。
パスワードの管理
強力なパスワードを使用し、定期的に変更することで、不正アクセスを防ぐことができます。また、パスワード管理ツールを利用することで、セキュリティを一層強化できます。
バックアップの実施
ホームページのデータを定期的にバックアップすることで、万が一のデータ喪失やサイトのダウン時に迅速に復旧できるようになります。バックアップはオフサイトやクラウドストレージに保管することが望ましいです。
二要素認証の導入
二要素認証(2FA)は、パスワードだけでなく、携帯電話や専用アプリでの認証コード入力など、追加の認証手段を導入することで、アカウントの不正アクセスを防ぐ効果があります。
これらの対策を実施することで、ホームページのセキュリティが向上し、ビジネスオーナーやユーザーのデータを保護することができます。セキュリティは常に進化する脅威に対応する必要があるため、最新の情報に注意を払い、適切な対策を講じることが重要です。
⑤ホームページの更新とメンテナンスについて
ホームページの更新とメンテナンスは、パフォーマンスやセキュリティを維持し、顧客体験を向上させるために重要です。以下に、ホームページの更新とメンテナンスに関する主要なポイントと手順を説明します。
コンテンツの更新
情報が古くなったり、リンク切れが発生したりすることを防ぐために、定期的にコンテンツを更新しましょう。また、新しい情報や製品、サービスを追加することで、ホームページの魅力を高めることができます。
ソフトウェアの更新
CMS(コンテンツ管理システム)、プラグイン、ウェブサーバーなどのソフトウェアを最新のバージョンに更新することで、セキュリティの脆弱性を修正し、機能の向上が図れます。
セキュリティ対策
定期的にセキュリティ監査を行い、脆弱性を特定して修正しましょう。また、パスワードの変更や二要素認証の導入など、アカウントのセキュリティも強化することが重要です。
バックアップ
ホームページのデータを定期的にバックアップし、オフサイトやクラウドストレージに保存しておくことで、データ喪失やサイトダウン時のリスクを軽減できます。バックアッププランがセットになったレンタルサーバーも増えてきています。上手に活用しましょう。
パフォーマンスチェック
ホームページの速度や応答性を定期的にチェックし、必要に応じて最適化を行いましょう。画像の圧縮やキャッシュ設定など、パフォーマンス向上のための手段は多岐にわたります。
これらのデータは可視化可能です。「数値」を見て改善していくことがなにより大切になります。
ユーザビリティの評価
顧客体験を向上させるために、ホームページのデザインやナビゲーション、コンテンツ構造などを定期的に評価し、改善を検討してください。
SEOの最適化
検索エンジンのアルゴリズムは常に変化しているため、定期的にSEOの状況をチェックし、キーワードの最適化やメタデータの更新、内部リンクの整理などを行ってください。
アナリティクスの分析
Google Analyticsやその他の分析ツールを用いて、ホームページのトラフィックやユーザー行動を定期的に分析しましょう。このデータをもとに、コンテンツの改善やデザインの最適化を行うことで、ホームページのパフォーマンスが向上します。
デザインのリフレッシュ
デザインやレイアウトは、時代とともに変化する傾向があります。ホームページのデザインを定期的に見直し、現代のデザイントレンドやユーザーのニーズに適合させることで、訪問者に良い印象を与えます。
ただ、新しければ良いものではないため、現在のアクセスの状況を確認し、デザインに起因する離脱(使いにくさ)が確認できれば、デザインのリフレッシュを検討すれば良いでしょう。
フィードバックの収集
ユーザーからのフィードバックを収集し、ホームページの改善に役立てましょう。問い合わせフォームやソーシャルメディアなどを通じて、訪問者の意見や要望を聞き、それをもとに改善策を検討してください。
これらの更新とメンテナンス作業を定期的に行うことで、ホームページの品質とセキュリティが維持され、訪問者にとって魅力的で使いやすいホームページが実現できます。また、検索エンジンランキングにも好影響を与えるため、継続的な努力がビジネスに対してプラスの効果をもたらすことが期待できます。
さいごに
いかがでしょうか。
”公開した後の手入れ” がホームページの成果を二分することが理解いただけましたか?
手軽にマウス操作だけで作れるようになったホームページですが、その運用・メンテナンスはまだまだ専門知識が必要な部分が多いです。最初はプロのアドバイスをもらいながら、少しずつ社内にノウハウを蓄積していきましょう。
ホームページは「会社の顔」です。運用会社に丸投げすることの無いよう、自社管理を目標に制作をスタートしたいですね!
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