小さな会社がブランディングしないとどうなる?デメリットを6つ紹介
小さな会社でも、ブランディングがとても重要です。ブランディングをおろそかにすると、様々な問題が起こります。当記事では、ブランディングをおろそかにした小さな会社がどのような困った状態になるかを、分かりやすい事例を交えて説明します。
「集客さえできれば、わが社の商品・サービスは売れる!」と考えている経営者に知っていただきたい内容になります。
「ブランディングとは何か」をおさらい
まずは「ブランディングとは何か」をおさらいしておきましょう。
ブランディングとは、コンセプトに基づいて会社や商品のイメージを作ることです。これによって、お客さんがその会社や商品を覚えやすくなり、信頼できると感じるようになります。ブランディングには、ロゴやキャッチフレーズ、デザインなどが関係します。
例えば、ある飲料メーカーが新しいジュースを発売するとしましょう。この会社は、ジュースにかわいいキャラクターの絵を描いて、鮮やかな色のパッケージを作ります。そして、楽しいキャッチフレーズを考えて、テレビやインターネットで広告を出します。これがブランディングの一例です。
お客さんは、このようなキャラクターやデザイン、キャッチフレーズを見ることで、そのジュースがおいしそうだと思い、買いたいと感じるようになります。また、他のお店で同じキャラクターやデザインを見かけたら、すぐにこのジュースだと分かります。これがブランディングの力です。
ブランディングがうまくいくと、お客さんがその会社や商品を選ぶ理由が増えます。例えば、子どもたちがお店でジュースを選ぶとき、かわいいキャラクターが描かれたジュースに目がいくでしょう。そして、そのジュースを買って飲むことで、その会社のファンになるかもしれません。
ブランディングは、大きな会社だけでなく、小さな会社にも大切です。しっかりとしたブランディングを行うことで、お客さんが覚えてくれたり、信頼してくれたりします。また、広告の効果が上がり、売り上げが増えることもあります。ですので、”どんな会社でも”、ブランディングに力を入れることが大切です。
ブランディングをおろそかにすることの6つのデメリット
デメリット1:他の会社に負けてしまう
強力なブランドイメージを持っていない企業は、競合他社との競争で劣位に立つことがあります。消費者は、信頼できるブランドを選ぶ傾向があるため、ブランディングが不十分な企業は市場シェアを獲得するのが難しくなります。
事例: 町の中にある小さなパン屋さんが、看板や店内のデザインをあまり気にしていません。そのため、近くに新しくできたおしゃれなパン屋さんにお客さんが集まってしまい、売り上げが減ってしまいます。
「味」や「思い」だけで勝負してしまい、企業イメージ全体のバランスを取れなかった例ですね。自社のコンセプトにもとづき、ブランドという強い企業イメージを持つことで、競合の中でも「お客さんに選ばれる理由」を作ることができます。
「コンセプトづくり」はブランディンを行う上で、もっとも上位に位置する取り組みです。「だれに、なにを、どのように届けるのか」といったコンセプト無くして、正しいブランディングはできません。
デメリット2: お客さんが覚えてくれない
よく知られていないブランドは、消費者の心に残らない可能性が高いです。ブランディングがうまくいっていないと、消費者が商品やサービスを選ぶ際に企業を思い出さないため、販売機会を逃すことになります。
事例: 小さな洋服屋さんが、ブランドロゴやキャッチフレーズを作らずに販売しています。そのため、お客さんが次に洋服を買うときに、そのお店のことを思い出さず、違うお店で買ってしまいます。
人は「知っているモノを選びやすい習性」があります。機能での商品差がつけにくくなった現代、お客さんに企業のことを思い出してもらう、知っていてもらうことは、企業活動の生命線になります。
デメリット3: お客さんからの信頼を獲得できない
ブランディングが不十分な場合、消費者は企業の商品やサービスに対する信頼を持ちにくくなります。信頼性や専門性が不足していると感じた消費者は、他の競合企業を選ぶことがあります。
事例: 小さな家電屋さんが、ブランディングに力を入れずに商品を販売しています。お客さんは、その家電屋さんが信頼できるかどうか分からず、有名な大手家電屋さんで商品を買ってしまいます。
ブランドロゴやキャッチコピーがあれば信頼できるわけではありませんが、ブランディング(ブランドを作ろうと努力している姿)活動は伝わります。その活動が信頼のキッカケになり得ますので、「信頼を得るためのブランディング」と心得ましょう。
デメリット4: 広告が効果がなくなる
ブランディングが不十分だと、広告やマーケティング活動の効果も低下することがあります。消費者が企業のブランドイメージを理解しにくい場合、広告のメッセージが伝わりにくくなります。
事例: 小さなおもちゃ屋さんが、ブランディングをしないで広告を出しても、お客さんはそのお店の特徴が分からず、興味を持ちません。結果、広告にお金を使ってもお客さんが増えません。
ブランディングし、発信すべき情報が固まっていないと、「価格だけで勝負し、過当競争に陥る」といった状態になりかねません。企業の理念、コンセプトに基づく内容を発信し続け、着々とブランド価値を積み上げていきます。それがブランディング活動の1つになります。
デメリット5: 社員のやる気がなくなる
企業のブランドイメージが弱いと、社員のモチベーションも低下することがあります。誇りを持って働けるブランドであることが重要です。強いブランドイメージは社員の自信や忠誠心を向上させます。
事例: 小さなレストランが、ブランディングをおろそかにしています。そのため、従業員は自分が働くレストランに誇りを持てず、仕事に対する意欲が低下してしまいます。
「ブランドを強くする」ことは自社で働いてくれる従業員に報いる活動でもあります。自分の会社のことが好きで働くひとが増えれば、職場の生産性は上がると思いませんか?
会社の中で働く人たちにブランドの価値を伝え、共有することを、インナーブランディングといいます。
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デメリット6: 会社の成長が遅れる
ブランディングがおろそかにされると、企業の成長が遅れることがあります。強いブランドイメージは、新規顧客獲得や市場拡大のきっかけになります。ブランディングが不十分な企業は、これらの機会を逃すことになります。
事例: 小さなスポーツ用品店が、ブランディングに力を入れないで運営しています。そのため、新しいお客さんがなかなか来なくて、売り上げが伸びません。他のスポーツ用品店がどんどん成長していく中、このお店は取り残されてしまいます。
このような状態で売上を伸ばそうと「お金を使った集客」に力を入れる企業が多いのですが、地道なブランディング活動は集客面でも大きな効果を発揮します。
集客に使う資源を、商品開発や顧客のフォローアップに回せれば、会社の成長に良い影響が生まれることは想像できますよね。
小さな会社のブランディング成功事例
小さな会社のブランディング成功事例として、米国のアイスクリームブランド「ベン&ジェリーズ」を紹介します。
ベン&ジェリーズは、1978年にベン・コーエンとジェリー・グリーンフィールドによって、アメリカのバーモント州で創業された小さなアイスクリームショップでした。当初は、わずかな資金で始められたこの店は、徐々に地元で評判を呼びました。
ベン&ジェリーズが成功した要因は、独自の風変わりなフレーバーと、個性的なネーミングでアイスクリーム市場に差別化を図ったことです。さらに、彼らは地元の素材を使ったり、環境保護や社会貢献に力を入れることで、消費者に対して独自のブランドイメージを築き上げました。彼らはまた、ユニークなプロモーション活動も行い、消費者とのコミュニケーションを大切にしました。
ベン&ジェリーズは、こうしたブランディング戦略により、徐々に評判が広がり、全国的に知名度を上げました。1990年代には、国際市場へ進出し、アイスクリーム業界のリーダー企業の一つとなりました。現在では、世界中で展開される大手アイスクリームブランドのひとつとなっています。
この事例から、小さな会社でも、独自のブランド戦略を立てて実行し、消費者との強い絆を築くことが、成功へとつながることがわかります。ベン&ジェリーズは、その成長過程で地域社会との関わりや企業の社会的責任を大切にしており、それが消費者からの支持にもつながりました。
コンセプトや理念に基づいて、「お客様に応援される理由」をていねいに作り上げていった好例です。
まとめ
小さな会社がブランディングをおろそかにすると、
- 競争力の低下
- 企業の認知不足
- 信頼不足
などのデメリットの他、広告の効果や社員のやる気にも影響が出て、結果会社の成長が遅れることつながりません。
良好なブランドイメージは企業活動の中で勝手に生まれるものではありません。自社の魅力・強み・個性を正しく認識し、地道に発信し続けることで強固な企業イメージ=ブランドとなります。
どんなに小さな会社でも、ブランディングは大切な要素です。
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